「音工房〇」が目指すもの

「音工房〇」が目指すもの

互いを尊重し、社会性をはぐくむ教育

オンラインのグループの中やワークショップで教えあうことは、自分の学びにもつながる。
学校の部活やグループワーク、会社の研修でそういった体験をしてきた方もいらっしゃると思います。

結局、この世界では何が相手への尊重、お互いの尊重や理解につながるのか。

ここ最近の国際情勢や国内のごたごた、人と人の関わりなどを遠目から見ていて、
「誰が正しい・間違っている」といった、白黒つけて誰を排除するかといった生き方だけでは、生きづらい方もいるかもしれません。
学校や会社といった社会以外で、お互いの尊重や理解の機会となるできる場を作ることは、何歳であっても大事な学びになると信じています。

ここでしたいことは、何人かでお互いの作品を聴きあい、励ましあい、建設的な提案をしあうこと。
そうした活動を通じて互いの視点の違いを感じながら「そもそも人間はお互い、こんなに考えてることが違うのか」とただただ理解するだけでも、他の受講生や、社会に生きる人間への目線が変わるかもしれません。

言葉ではなく、一人ひとり表現が著しく異なり、抽象性のある「音楽」であるというのもまた良いのかもしれません。

インターネットリテラシー、タブレット端末やスマートフォンのIT・STEM教育

音工房〇では、グループウェアを使って授業の連絡や課題のブラッシュアップを行います。
スピードが非常に早く、短絡的になりやすいネット上でのコミュニケーションを早いうちから経験することで、インターネット上での誹謗中傷などといった問題への対策も進むかもしれない、と個人的には考えております。
まず、私たち講師に伝えたいことをシンプルに伝えられるか。チームの中でコミュニケーションするなら、お互いに理解しあえるような形で伝えられるか。間違っても、ゆるやかに軌道修正できるか。
転びながら、覚えていくのがいいと思います。私も見ていますし。

先に紹介したように、5,000円前後の安いタブレットやパソコンでも、最低限音楽が作れる時代となりました。
今や、学校によっては、タブレット端末が配られる時代に。
早いうちからタブレット端末を使うことで、操作感に慣れる絶好の機会になると信じています。

伝えるためのある種の文章力

作曲につかう素材や技は、ひとりひとり使い方は違うもの。
だけど、伝わる曲は、いろんな人に響くもの。

アップルのスティーブ・ジョブズのスピーチが多くの人の心を打ったように、
良質なメッセージを表現するには、メリ・ハリや伝える順番などを練った上での表現が必要になると思っています。

作曲では、表現力=文章の構成力と私はとらえています。
心地のいいメロディーでも、めちゃくちゃな重ね方をしたら素材が聞こえなくなったりしてしまう。

現代のポップスにしろ、前衛的な音楽にしろ、古い西洋音楽や伝統音楽にしろ、誰もが形式として大事にしてきたことがたくさん眠っています。
一つ一つ、掘り起こしていきましょう。

誰も取り残さない教育

はっきり言って、こう書くのは欺瞞ではないかと自分でも思ってしまうんですけどね。

現状、何人かの生徒さんが受講してくださっていますが、一人ひとり何かしら抱えていたりします。
その度合いが大きければ、一般的な学校教育の枠組みや、福祉制度の枠組み、はては社会自体から、どうしてもこぼれおちてしまう人がいます。

その上で、どう楽しんで生活していくのか?もっと楽しく生きるにはどうすればいいのか?

私はそれに対して、答えを出すことはできません。
答えを見つけるために、一緒に歩くことができるだけです。

音楽はじめてみたけど、やる気が起きなくても別に構わない。ゆっくりお話をしながら、次にやりたいことを一緒に探るまで。
教室にきたけどちょっと落ち着かない。だったら一緒に散歩でもしましょう。

ちょっと違うところにきて、気楽に遊ぶくらいのつもりで来てもらえればOKと思っています。
もちろん、音楽教室なので音楽のことは学んでほしいけれども、まずはこの環境になれるのが先というか。

しかし、これまでのつながりをヒントに、提案をすることはできます。

息子の難病の家族会のネットワークから得られる知見のシェアで、使えていなかった福祉サービスを見つけて少し家族・きょうだいの生活が楽になるとか、
相談しづらい子育てのことについて、講師自身の経験をシェアすることで「それでも大丈夫かー」となるとか。

受講生の方とも、受講生のご家族の方とも、そんなちょっとした話が生まれて、別の視点から物事を見ることで変わることってたくさんあります。

あらゆる人の響きが生きる社会に向けて

障がいの有無、学校になじめない、習い事が続かない…そういった問題がある・ないにかかわらず、まずは一度お話してみて、一緒に過ごすための時間づくりを常に考えています。

過去には、放課後デイサービスでワークショップを何度かやったことがあります。コミュニケーションのやり方も一人一人の利用者さんによって、さまざま。
それでも、音の鳴るものを使って遊んでみたり、一緒に好きなことに合わせて演奏してみたりすることもできる。自由さを妨げず、誰かの自由さもまたバランスをとってやっていく。

変わった学習塾で働いていたこともあります。多動が激しい人、思い込みが激しい人だけではなく、グレーゾーンだけど「学校にいくのしんどい」という方と向き合いながら、一人ひとりの得意・不得意、気を付けてほしいことを話し合ったうえで、信頼関係を築きながらレッスンを進めていきました。

現在は一児の父でもある私ですが、息子は「ドラベ症候群」という難治性てんかんをもって生まれてきました。命にかかわる先天性の病です。
発達は非常にゆっくりな人なのですが、コミュニケーションが成立しないながらも楽しんでもらうには?と考えながら、またけがをしないように安全管理もしつつかつのびのびと過ごせるようにするには?と考えています。

いろいろな人が来られる土壌を整えています。
思い悩まず、家庭・学校に次ぐ第三の場所として、使ってもらえればと思っています。

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